原産品判定基準とは

経済連携協定や特恵貿易協定など、関税の減免を行うためには必ず、協定を結んでいる国同士の間で、何を「原産品」として認めるのか、という判定基準が存在します。WTO加盟国の間ではWTO協定税率が適用されますが、経済連携協定や自由貿易協定は、その協定を結んだ国同士だけで、WTO税率よりもさらに関税を下げ、両国の貿易を活発化させ、結果として経済効果を狙ったものです。

この協定ごとに原産品判定基準がないと、協定を結んでいない全く無関係の第三国で製造したものについても、関税の減免を認めることになってしまうため、WTO協定税率と変わらなくなってしまい、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)を結ぶ意味もなくなってしまいます。

原産品の判定基準は、どの協定に基づくものなのかによって変わりますが、代表的なものは次の3つです。

付加価値基準
その製品がある国の「原産品」として認定するためには、そのある国でつけた付加価値の割合が一定以上であればよいというものです。例えば、日本との間で、付加価値基準40%以上の判定基準を持つ協定であれば、日本から輸出する場合、その製品の利益や国内輸送費、日本国内での加工賃・設計費、日本の原産品を使っている原材料・部品価格などの合計が、その製品価格の40%以上であれば、日本の原産品として認めるというものです。
関税分類番号変更基準
すべての貿易品には、HSコードと呼ばれる分類番号がつけられます。日本との協定であれば、輸出品のHSコードのうち、日本以外を原産とする部品・原材料のHSコードが、輸出品のHSコードと異なるものであれば、日本で一定の加工がなされたとみなし、日本原産とするルールです。
原産品判定基準としては、もっともシンプルで適用が簡単なルールとなります。
加工工程基準
この判定基準は、非原産の材料を使って何かを作る際に、それらの材料が協定で取り決めた、ある特定の「加工」を経ている場合に、原産品として認定するルールとなります。