関税はどちらが払うものか

国境をこえて物品が行き来する場合、必ず「通関」によって輸出申告、輸入申告が必要となります。この際、一般的には輸入申告時に関税を支払う必要が出てきます(日本にはありませんが、国によっては輸出関税も必要)。

貿易においては、売り手と買い手、つまり輸出者と輸入者が必ずいるわけですが、関税をどちらが負担するかどうかは貿易条件によって、定められています。

貿易に関わっている方には御馴染みかと思いますが、見積もりからインボイスに至るまで、海外との取引には必ず「trade terms」(貿易条件)を設定し、費用負担をどちらがどこまでするのか、物品の所有権はどこで移転し、トラブル発生時や危険負担はどちらがどこまでするのかという点を明確にしてからはじめます。

この貿易条件にはいくつかパターンがあり、これらを定めたルール(定義)をインコタームズといいます。その中に関税の負担についてもどちらが支払うべきか貿易条件もあります。

仮にこちらがよくわからないとしても、インコタームズ抜きでは通常の貿易は難しく、通関に必須となるインボイスには何らかのインコタームズに基づいた価格が記載されることになります。

関税を売り手、つまり輸出者が負担するケースというのは、貿易条件にDDPを指定した場合だけで、それ以外のすべての貿易条件では、買い手、つまり輸入者が負担することになります。