香港のFTA

香港はイギリスから返還後、現在は中国の領土の一部ではありますが、一国二制度のもと、経済的・社会的な分野については条約の締結主体となることができます。逆に言えば、中国が締結した協定については、香港も締結しない限り、利用することができません。現在、中国とASEANとの間で締結する自由貿易協定であるACFTAに、中国側からは香港加盟を希望していますが、これは同地域での法人税が安い為、香港を仲介貿易やストック・オペレーションを行う拠点として活用される可能性があるためです。中国にとってメリットがあるものの、協定交渉や締結は別個の主体として行う必要があります。

香港の締結するFTA、EPAとしては、現状では中国との間の経済貿易緊密化協定(CEPA)、ニュージーランド、EFTA、チリとの間のみとなります。香港は経済緊密化協定という名称で物品の関税率を下げたり、撤廃したりするだけにとどまらない、どちらかというとEPAに分類される協定を締結しています。

香港のFTA、CEPA締結国、交渉国

香港のFTA、EPA、通商協定の締結国
締結国、協定国、交渉国 状況、概要
香港-中国CEPA 2003年に調印以降、ほぼ毎年更新を繰り返し、2012年時点で第9次経済貿易緊密化協定補充(CEPA10)に調印している。
香港-ニュージーランド 2011年発効。FTA、経済緊密化協定(CEPA)。
香港-EFTA 2012年発効。アイスランド、リヒテンシュタイン、スイス、ノルウェーとの間のFTA、経済緊密化協定(CEPA)
香港-チリ FTA。2012年締結。発効調整中。

香港に輸入時にかかる関税および諸税

香港に輸入する際、あるいは香港から輸出する際のいずれについても関税はありません。
すべての品目について、関税ゼロで輸入することが出来ます。消費税や付加価値税などもありません。

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