BOI、拘束的原産地情報とは

BOIとはBinding Origin Informationの頭文字をとったもので、日本語では拘束的原産地情報と訳されています。

EUの関税法典施行の為の一般規定として定められたもので、FTAやEPA、特恵貿易など関税の減免を受けることが可能な貿易を行う場合、実際に申請書類一式をそろえて、いざ輸入通関に望んだ際、現地税関で異なる判断が下された場合、関税の減免を受けることができません。

また取引内容によっては、当局とどこが原産地なのかについての判断が異なることで、取引そのものが成立しなくなる可能性もあります。

EUは27カ国もの加盟国で構成される経済共同体でもありますが、通関行政について各国での判断が異なると、対EUとの貿易取引を行う上で種々の不都合が出てきます。

そこで、あらかじめEU圏内の通関行政ですべて有効となる証明書を取っておくことができます。拘束的関税情報についても、あらかじめ輸出入しようとする商品がどのHSコード(EUではCombined Nomenclature)に該当するか事前に判断を仰ぎ、それを実際の貿易の際に使うことができます。

この原産地情報版ともいえるのが、BOIになります。ただし、これがあるからといって、原産地証明書が免除されるわけではない点に注意が必要です。GSPを使うのであれば、GSP用の原産地証明書が、他国とのFTA協定やEPA協定を使うならそれに対応した原産地証明書が必要となります。