FTAのメリット

FTAは、自由貿易協定の名が示すとおり、この協定を結んだ国同士の間で、品目によって関税をゼロにしたり、削減したりするための協定です。

また関税以外の貿易の障壁になるものの撤廃も含めて検討を行っていくのがEPA(経済連携協定)と呼ばれるもので、日本が締結するのはすべてこのEPAになります。

FTAのメリットは、なんと言っても「関税の減免」につきます。世界各国の関税率は、それぞれの国が独自に決めてよいことになっていますが、WTOに加盟する国は、MFN税率(WTO協定税率)といって、世界的に貿易を促進させる為、関税をなるべく低く抑えるというルールに則って参加することになります。

したがって、WTO加盟国の貿易では、もし両国間で特段の協定を結んでいなければ、このMFN税率(WTO協定税率)が適用されることになります。逆に言えば、WTO加盟国同士で特定の協定などを結ばずに、どこかの国にだけ税率を高くしたり、低くしたりということは原則的に許されていません。どこかの国に協定ぬきで低い関税率を設定した場合、他国に対しても同じようにその低い関税率を適用する必要があります。

ただ、MNF税率とはいっても、品目によっては20%を超えるものもあり、これらがゼロになる、ならないは時に大きな価格差となってきます。またボリュームの大きい貿易の場合は、数パーセントでも金額が大きくなる為、関税のあるなしはとても大きく影響します。

FTA協定を結んでいる場合、互いに特に保護が必要と認める品目以外は、交渉によって段階的に関税を削減していくことになりますので、上記で言えば、この20%が協定発効と同時にゼロとなるか、一定の年数をかけて段階的に削っていき、将来的にゼロか、非常に低い関税率になるといった恩恵を享受することが出来ます。