関税における従価税

価格に対して一定の税率をかける方式の関税で、日本では最も多くの品目に適用される関税のタイプです。

現実支払価格+加算要素で計算される「課税評価額(関税評価額)」に、関税率をかけることになるため、金額の高いものであればあるほど実際の関税額も多くなると言う特徴があります。

関税の本来の目的が、税収の確保と言うよりは、安いものが大量に入ってくることで打撃を受ける国内産業の保護、市場の安定にあるため、もともとの単価が極端に安いものであると、その防波堤としての役割を果たせなくなるというデメリットもあります。

評価額が10円のものであれば、仮に関税率が30%であったとしても、3円にしかなりませんので、これが国内への過度な流入を防止することになるかどうか、という問題です。

また、関税評価額の正確な把握が難しいという問題もあります。通常の貿易では、インボイスによる通関を行い、このインボイスに書かれている金額が、現実支払価格となりますが、この価格が実勢から離れているかどうかの判定や、貿易外での金銭のやり取りがある場合などで加算すべき金額あるケースの把握の難しさ等があげられます。

インフレやデフレなどの物価の変動に応じて、税額も連動して動くため、こうした際に、関税額が極端に高くなったり、安くなったりという問題は起き難くなります。