関税はどのような形で調査がされるか

関税は、通常、輸入者(または輸送業者や通関業者などの代理人)が行う輸入申告(納税申告)に基づいて額が決定されます。

日本の関税は、申告納税方式をとっている以上、本人が金額決定の情報を自ら提供する方法のため、本来支払うべき関税が足りない、あるいは意図的に関税額を少なくするための行為がないかチェックする体制が必要となります。これを放置すれば非常にアンフェアな状態となることは容易に想像が付きます。

関税に関する調査は、通関時に行われるほか、事後調査、と呼ばれる制度があります。関税の支払額については、通関時にチェックできることは非常に限られており、例えば、申告価格が過小評価されていないかどうか、といった点をチェックすることになります。これには、物品の相場を記したプライスレンジや税関レンジ表と呼ばれるものがあり、ここから大きく逸脱した物品の場合、なぜそのような価格なのか理由を求められることがあります。

とはいえ、関税額の決定には、この物品の相場だけでなく、例えば部品や材料だけ無償支給していたり、ロイヤリティの支払いが別請求でなされていたり、技術者や製造者の支援を無償で行っているような場合の価格も足す必要がありますが、これらは通関時にはチェックのしようがありません。

このため、税関による訪問調査として知られる「事後調査」と呼ばれる制度があります。これは輸入の事後に行われるものであり、2~3年に1度の頻度で行われます。