日本国に通関士の資格試験には、輸入申告時についての「特例申告貨物」についての問題が出ることがあります。このなかに、経済連携協定で個々に定められた関税率を適用させる場合に、締約国原産地証明書(=特定原産地証明書)を提出する必要がある旨、定めがありますので、資格で関係があるといえば、一部このように関係があるものもあります。
ただし、あくまで輸入側としての手続きについてのみなので、こうした貿易協定を用いる実務についての知識はもちろん求められません。原産資格をどのように計算するか、といった内容もありません。原産地証明書の有効期限や、その提出時期についてはかかわりがありますが、どのようにして発給されるのか、発給するのかといったことは関係がありません。
個人的には、日ーオーストラリア、日ートルコ、日ーEU、TPPなど貿易協定が増えてくる環境にあっては、適用の推進という点も含めて何らかの資格があるとよいのではないかと思います。輸出貿易管理令にしても、STCの資格がなくとも業務を行うことはできますが、業務に必要な知識を学ぶ上で指針となりますので、EPAについてもこうしたものがあってもよいのでは、と思います。