BTI、拘束的関税情報とは

BTIとは、Binding Tariff Informationの略で、日本語では拘束的関税情報と訳されています。
物品がどのHSコードに該当するかあらかじめ伺いを立てて、当局から保証してもらう仕組みのことです。EUのどの国で発行されたものであっても、EU諸国すべてに適用可能で、発効後、6年間有効となります。BTIといえば、一般にはEUのBTIのことを意味しています。

関税額の決定や輸出還付税、輸出入許可の取得有無など、その物品のHSコードが特定されることで事前に準備が可能となります。逆に言えば、税関での通関時点で想定されていたHSコードと全く違う番号として扱われたがために、想定していない関税額がかかったり、別途輸入許可が必要になったり、場合によっては物品の輸入そのものができなくなったということもあり得ます。

BTIを使うことで、こうしたリスクを事前に低減することができます。なお、EU圏内で発行されたBTIは、EUが運営するEBTIデータベースに登録されます。

BTIを発行してもらうのはEUのどの国であってもかまわないと述べましたが、各国ですべて同じ判断が出るわけではなく、例えばA国とB国とでは物品のHSコードへの関連付けが異なってくるケースがあります。ただし、一旦、BTIが発行されればその決定はEU圏内の通関行政に対し、強制力を持ちます。

Binding Tariff Information(欧州議会の拘束的関税情報のサイト)

European Binding Tariff Information (EBTI)
過去に発行されたBTIのデータベース。国別でも検索できる。