form A、フォームAとは

フォームAは一般特恵関税を適用させるための特別な原産地証明書です。

一般特恵関税とは、開発途上国からの物品に対して適用される特別に低く設定された関税率で、GSP(Generalized System of Preference、一般特恵関税制度)がその根拠となっています。

GSPの歴史は昨今のEPAやFTA等よりも古く、1968年にUNCTAD(国連貿易開発会議)で制度として立ち上がり、その主目的は開発途上国の貿易を促進させ、輸出所得を増やし、貧困解消の一助とすることにあります。日本では1971年に創設され、現在多くの国で制度として確立されています。

どの国をGSPの対象国とするかは、各国の規定によるため、日本ではGSP対象国となっていても、例えばEUでは対象外という事もあり得ます。

また、このGSPでは対象国ごとに品目についても一律全ての国に同じように適用させているわけではなく、センシティブ品目をはじめ、対象外となる品目もあります。

日系企業でもGSPの制度を利用した貿易は行われており、これは日本へ輸入する品物だけでなく、例えばタイにある工場から、EUへ輸出する際にはEUのGSPを利用することで関税の減免を図ることができます。

日本の場合、EPA税率と一般特恵税率の双方が利用できる場合、例えばベトナムなどでは、EPA税率とGSP税率が同じか、EPAによる関税率のほうが安い場合は、GSPは適用できない決まりになっています。

逆に、GSP税率のほうがEPA税率よりも安い場合は、GSPの適用が可能です。ただし、この場合は高いEPA税率を選びたければ、選ぶことは出来ます。

カンボジア、ミャンマー、ラオスといった国は、LDCに指定されている為、GSP税率はさらに安い税率である特別特恵税率を適用することも出来ますが、これは利用者側でどちらでも好きな方を選ぶことが出来ます。