実際に発給を行った特定原産地証明書は、発給してから1年間がその有効期限となります。但し、日フィリピン協定のみが6ヶ月となります。
どの国でも、関税の支払いは輸入申告手続きの前後に行います。このため、その時点で特定原産地証明書の原紙がないと、関税の減免をその場で受けることが出来ず、通常の関税率に基づいた関税額を支払うことになります。
国によっては関税還付の制度があるため、あとで特定原産地証明書の原紙を持参して手続き可能なケースもありますが、通常はこれが使えない場合の方が多いといえます。あるいは時間やコストがかかってしまったり、特殊な手続き方法についての知識も必要となります。このため、輸入申告時点までに原紙を、通関業者の手元へ届けておく必要があります。
特定原産地証明書の原紙を入手する為の「発給」申請には、判定申請を通過した後に、インボイスやB/Lといった輸送ルートやスケジュール確定後に入手可能となる貿易書類(に書かれた情報)が必要です。
こうした事情から、原産地証明書の有効期限切れを起こすということは稀なケースかもしれません。
特定原産地証明書は、はじめて使う場合は企業登録からになりますので時間がかかりますが、一旦使い始めてからは、判定依頼し、それが通過すれば発給ができるようになります。判定依頼は、必要な資料(付加価値基準を満たしていることを証明する計算書、関税分類番号変更基準を満たしていることを証明する対比表)がきちんと揃っていれば、数時間以内に判定通過することもあります。
発給申請のほうも、必要情報とインボイスが揃っているという前提であれば、申請をしてから早ければ数時間もかからずに発給可能となることもあります。