タリフラインとは、物品を貿易する際に分類したとき、関税を課すことができる品目単位のことです。タリフラインの一覧とは、HSコードの一覧でもあります。日本ではタリフラインの数は9018あります(国によって異なります)。これは国ごとに存在するHSコード表や税率表に載っている最小単位ともいえます。
日本ではタリフラインを見た場合、HSコードの9桁まで見ることになりますが、6ケタまでは世界共通となっています。7桁以降の数字の振り方や分類方法は、各国の事情にまかされており、関税もその単位で決められています。
例えば、日本へトラクターを輸入する場合を考えてみます。トラクターがカテゴライズされるHSコードは、87類と呼ばれる大分類で、この中でさらに品目によって細分化されていきます。87類のうち、8701はトラクター、8701.10は「歩行操縦式トラクター」といった具合です。この段階では関税率は確定できません。これを最も細かく分類すると日本の輸入の場合、「8701.10.000」(9桁)となり、この番号まで分類できてはじめて関税率が決定します。タリフラインとは、この「8701.10.000」まで分けた部分のことです。
これを仮にインドネシアのタリフラインで見た場合は、8701.10の「歩行操縦式トラクター」は8701.10.11.00(電気駆動でないか、22.5KWを超えないかのどちらかを満たし、農業用)と、8701.10.19.00(前述の条件で、その他の用途)、8701.10.91.00(前述の電気駆動に関する定義にあてはまらず、農業用)、8701.10.99.00(その他の用途)の4つのタリフラインに分かれます。それぞれ税率に15%と10%と内容によって税率も異なります。
TPPやRCEPをはじめ、貿易における関税の低減や撤廃が絡む協定や交渉は、すべてタリフラインごとに、互いの国同士で駆け引きが行われます。輸出入統計も、このタリフライン別に金額や数量を見ることができますので、日本があるタリフラインについてどれくらい輸入しているのか、あるいは輸出しているのかという情報も調べることが出来ます。