関税率はどこで決まるのか

国家は通常、関税自主権といって自国に入ってくる品物に自由に関税を掛けることができます。ただし、これをルールもなく無闇に使われると、貿易そのものが成り立たなくなります。あるときは中国製のものだけ関税率を500%にします、またあるときは韓国製のものの関税率を10%にします、米国製のものは無税にします、といったことをすると通商そのものが混乱してきます。

現在は、WTO(世界貿易機関)にほとんどの国が加盟しており、ここで大枠となる貿易ルールが定められており、先に述べたような差別的な待遇をWTO加盟国の間で行うことは禁じられています。いずれの加盟国に対しても最恵国待遇による税率、MFN税率(WTO協定税率)を課すことになっています。

では、TPPをはじめとする経済連携協定や自由貿易協定の税率は何なのかということになりますが、こうした協定により関税の減免は、この原則の例外となっています。

話を戻すと、関税を決めることができるのは各国ですが、それは国際ルールの影響も受けるということです。

さらに話を細かく見ていくと、ある製品、品物の関税率というのはその品物の品目によって異なります。

各国の関税というのは、このように品物によって変わるのですが、世の中にはそれこそ無数の商品がありますので、まずはこれらを分類する必要があります。

貿易における品物には、すべて例外なく、HSコードと呼ばれる番号がつけられます。このHSコードは規則性のないでたらめの番号ではなく、体系をもった番号です。上から6ケタまでの番号は世界共通で用いている番号体系で、どの製品が何番になるのかを決めています。