センシティブトラック

FTA協定は、本来の定義では、二国間・多国間における貿易自由化を進めるため、原則的には両国間の関税率をなくすためのものです。但し、実際には関税率を撤廃することで自国の産業に大きなダメージがあったり、経済的な損失、社会的な影響がでたりといった問題もあり、すべての品目で関税率をなくすことができるわけではありません(全ての品目で関税率の撤廃に成功している協定もあります)。

こうした場合に、交渉国間で、関税率の議論をする際に特段の配慮が必要な品目をセンシティブトラック、あるいはST品と呼びます。これによってFTA交渉においてはどの品目が関税減免の対象外となるかが明確となるため、交渉段階から注視する必要があります。

自社の扱っている品目がセンシティブトラックに指定されている場合、締結したとしても関税の減免を受けられない可能性が高いため、FTA協定が発効したとしてもその恩恵を受けることはできなくなります。