中国のFTAとEPA

2001年、WTOに正式加盟してからは特に、各国・地域とのFTA・EPA協定交渉を積極的に進めています。

中国が締結・交渉するFTAの中には、枠組み協定に相当する内容で関税譲許を先行して行うものが見受けられます。これらは本妥結には至っていませんが、まずは両国で品目を決めて関税の低減を実施しながら交渉を継続する形をとった協定です。地域間としては、中国-ASEANとの自由貿易協定である通商ACFTAが良く知られ、これに使う原産地証明書のフォームEも耳にすることがあるかもしれません。2012年末には、日中韓FTAやRCEPでの交渉開始に合意し、着実に自由貿易圏を拡大しつつあります。

ただし、対中貿易で赤字の進む米国やEUとは非常の多くの貿易があるものの、協定云々の話にはならず、両者とも中国を締め出す形の貿易圏を構築しているのが現状です。

締結国、協定国 状況
アジア太平洋貿易協定
Asia Pacific Trade Agreement (APTA) – Accession of China
既存加盟国と新たに加盟した中国との協定は2002年に発効。特恵貿易協定に相当。中国、韓国、インド、スリランカ、バングラデシュ、ラオス6国が加盟国。
中国と香港の経済・貿易関係緊密化協定(CEPA) 2004年より実施。継続的に補充協定を締結しており、最新のものは2012年6月に調印された補充協定9。いわゆる地域間FTAの位置付け。
中国とマカオの経済・貿易関係緊密化協定(CEPA) 香港同様、2004年から実施。補充協定の締結を継続しており、2012年7月に補充協定9に調印。
中国と台湾の海峡両岸経済協力枠組協定(ECFA) 2010年から発効。アーリーはベスト対象品目については関税引き下げ実施済み。
中国-ASEAN(ACFTA) 2003年タイEH発効、2005年関税引き下げ開始、関税撤廃はASEAN6で2010年、CLMVで2015年。2011年修正議定書発効。発効後、中国とASEAN6カ国(ブルネイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、シンガポール)の間で90%以上の製品はゼロ関税。
中国-チリFTA 2006年7月1日より関税譲許が開始し、10年以内に97%の製品でゼロ関税にすることに合意。
中国-パキスタンFTA 2005年から交渉開始。2006年から関税の引き下げを開始し、2008年までにゼロ関税に。
中国-ニュージーランドFTA 2004年交渉開始、2008年締結。
中国-シンガポール 2008年調印。2010年1月までにシンガポールからの輸入製品の97.1%の関税をゼロにすることで合意。
中国-ペルー 2007年交渉開始。2009年調印。双方90%以上の品目で段階的にゼロ関税へ。
中国-コスタリカ 2011年発効。
中国、香港-EFTA 2012年10月発効。
中国-韓国FTA 2006年共同研究開始。2012年5月から正式に交渉を開始。交渉継続中。
日中韓FTA 2010年に共同研究を開始。2012年11月には交渉開始を宣言。
東アジア地域包括的経済連携(RCEP) 2012年11月20日、交渉の立ち上げを宣言。2013年早期に交渉を開始し、2015年末までに交渉完了を目指す。ASEAN諸国、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドの合計16カ国を含む連携構想。
中国-オーストラリア 2005年交渉開始。現在も交渉継続中。
中国-スイス 2010年共同研究終了。2011年交渉開始。交渉継続中。
中国-ノルウェー 2008年交渉開始。交渉継続中。
中国-コロンビア 2007年交渉開始。
中国-アイスランド 2007年交渉開始。交渉継続中。
中国-GCC(湾岸協力理事会)FTA 2004年交渉開始。現在までに5回実施。継続中。
中国-SACU(南部アフリカ関税同盟)FTA 2004年に交渉開始することで合意。

中国に輸入時にかかる関税、諸税

輸入増値税(基本税率17%)、消費税、船舶トン税
輸入許可証取得費用、保税区使用料。

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