関税における従量税

日本では、肉、一部の動物などの限られた品目に対して適用されており、関税率表をみたときに、4.5%などの%の表記ではなく、kgあたりや頭あたり、個数あたりに対しての金額が明記されているタイプの関税です。

関税の主な目的が、海外から異様に安い品物が大量に流入することで、その品物に関わる国内産業がつぶれてしまわないように保護するというものでもあるため、数量によって税を課すこの方法だと、流入量の把握や関税の計算が容易であるという利点があります。

ただし、1個100円のものであっても、1個100万円のものであっても、関税が同じになるため、物価の変動については対応が困難です。

また、従量税を設定する場合、市場価格についての情報が把握しやすいものであることはもちろん、同一のHSコード(タリフライン)内に、多様な物品が含まれてしまうようなものには不向きとなります。

例えば、工業製品の多くは、同じタリフラインであっても、市場ではまったく異なるものとして扱われているようなものがあります。こうした状況が把握可能な物品でないと、従量税の適用により、市場価格の不均衡を招くこととなります。