ノーマルトラック

FTA協定を交渉する際には、どの品目についてどういうスケジュールで関税を譲許するのか、あるいはしないのかといった点を議論していきますが、その際、俎上にのせて関税率低減を議論していく通常の品目にカテゴライズされるものをノーマルトラック、NT品と呼ぶことがあります。このカテゴリーに入った品目は、通常、いずれは関税がなくなりますが、一般的には数年~十数年かけて徐々に関税を低減していき、最終的にゼロとされるものが多いです。

ノーマルトラックよりも、先んじて関税の譲許を行っていく品目群をアーリーハーベスト品、EH品と呼びます。また、反対に関税の減免をすると支障のある品目群については、センシティブトラック(ST)と呼ばれ、関税低減を通常のスケジュールで行うことを制限したり、交渉の対象外としたりします。

実際のFTAではその品目がどのカテゴリーで交渉されるのかという点が最も注目されます。

最終的には、ノーマルトラック品の中でも、3年かけて低減するもの、5年かけて低減するもの、10年かけて低減するもの等、一定の年数のカテゴリーがさらに設定され、譲許表(関税低減のスケジュール表)に記号で表記されます。多くの協定で採用されているルールとしては、例えば5年かけて関税をゼロにするという場合、毎年均等に税率を下げていくという方法があります。