タリフジャンプとは

貿易上、すべての「物」は輸出する際と輸入する際に品目ごとに決められた分類番号がつけられます。この分類番号の体系をHSコードやタリフコードと読んだりしますが、タリフジャンプとは、ある物について、材料を加工して完成品となる等の理由で、この分類によってつけられた番号が変わることを意味しています。日本では、「関税分類番号変更基準」と同義で、原産品であるかどうかを判定する一つの基準としてよく使われます。

自由貿易協定や経済連携協定をはじめとする、特定の品目について関税を減免する際、その物品の「原産地」を証明する際によく用いられる考え方・ルールとなります。また、一般原産地証明書の発行にも、このタリフジャンプの考え方が使われています。

関税の減免を行う二国間・多国間の協定では、その協定に加盟する国・地域の「原産品」のみ、一定のルールを満たす場合に、関税を大きく減らしたり、撤廃したりしています。このため、「何が原産品となるか」を定めた原産地規則(Rule of origin)を協定内に必ず盛り込みますが、このなかでよく用いられるルールの一つが、このタリフジャンプと呼ばれる方法です。

材料にふられているタリフコード(HSコード)は、それを用いて国内で何らかの加工をし、製品や部品として仕上げた場合、そのタリフコードが変わってくるため、この変更をもって、国内で加工されている「原産品」の資格を与えるというものです。

なお、日本にかかわりのある経済連携協定では、他に原産地規則として、付加価値基準加工工程基準があります。