特定原産地証明書とは

日本からの輸出品で経済連携協定を用いる場合、特定原産地証明書を日本で発行し、それを現地の輸入申告時に用いる必要がありますが、この特定原産地証明書には、法令上、二種類があります。なお、これは一般的に使われている原産地証明書とは異なるもので、経済連携協定専用のものです。

下記双方とも、「経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律」に基づいています。

第一種特定原産地証明書

日本では、経済連携協定に用いる原産地証明書の発給機関としては、日本商工会議所のみが指定発給機関となっています。この指定機関に、発給を申請するタイプの原産地証明書が、第一種特定原産地証明書となります。下記の二種が使われるケースはきわめて少ない為、日本で「特定原産地証明書」といった場合は、ほとんどが第一種となります。

第二種特定原産地証明書

日スイス協定と日ペルー協定のみに認められている自己証明タイプの特定原産地証明書です。これは、輸出者自身が発行する特定原産地証明書ですが、スイス、ペルーともに第一種の特定原産地証明書も利用可能です。諸外国のFTAやEPAでは、指定発給機関が原産地証明書を発行するタイプの協定だけでなく、輸出者自らが発行するタイプのものもありますが、日本ではまたこの二例のみです。

自己証明には賛否両論ありますが、第三者でもある発給機関が介在しない為、その分、発行する社内などでのルール作りや整備、運用等に手間がかかることが難点の一つです。