日本の関税収入

税関で徴収されている日本への輸入品に対してかけられる関税と消費税の合計は毎年おおよそ5兆円となります。日本の国税収入が43兆円(平成25年度)の現状から、決して少なくない金額が輸入品による間接税から入っていることが分かります。

輸入の際の徴収される関税よりも大きい消費税

ただし、輸入品に対しての税額である5兆円のうちの、関税によるもの自体は年間で約8742億円程度となるため、ほとんどが消費税ということになります。日本は一部の農畜産物には高関税率を課していますが、ほとんどの工業製品は無税かそれに近い低税率にしており、先進国の中でも農産物を除けばかなり関税の低減が進んでいる国です。日本の場合、輸入品に対しては関税よりも消費税のほうが大きくなっているのは、こうした事情によるものです(無関税品であっても、一部の例外を除き、すべての輸入品に消費税はかかってきます)。

ちなみに、たばこ税による歳入が年間約9900億円、酒税が約1兆3000億円となっており、純粋に関税収入だけを見ると、これらよりも少なくなっています。

消費税は全体で年間約10兆円6490億円ほどになりますので、このうちの多くが輸入の際にかけられている消費税ということにもなります。

関税収入の統計と推移

昭和25年から平成25年までの関税収入の推移と統計については、財務省のシンクタンクである財務総合政策研究所の財政金融統計月報のページにてExcelファイルでダウンロード・閲覧できます。

一般統計の項目内にある3番目の「国税の税目別収入の累年比較」のなかに、直接税、間接税の関税収入の集計も入っています。

また、国税の税目別の収入において、国際間でどのような違いがあるのかも「国税の税目別収入の国際比較」で見ることができます。ここでは、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアの先進諸国の比較を見ることができますが、関税収入に限っていえば、日本は国税収入全体に対してこの関税が占める割合が1.9%、アメリカは2.1%、イギリスは0.7%、ドイツは0.9%、フランスは0.1%となっています。