関税の掛け方には、大別すると、価格に対して品目ごとに決められた税率をかけていく「従価税」と、数量や重量に対して税を課していく(キロあたり130円となっているならば、キロ数に応じた関税)「従量税」とがありますが、これらを組み合わせたものが混合税です。
組み合わせ方には以下の2つのタイプがあります。
関税における選択税
従価税と従量税のどちらかを選択するタイプ。双方を計算し、どちらか高い方か低い方を選ぶタイプの関税です。従価税と従量税がもっていたそれぞれの短所を補完することが可能です。
例えば、日本における鉛合金のMFN関税率は、「3%又は4.50円/kgのうちいずれか高い税率を適用」となっています。
100kgの鉛合金で、関税評価額が35,000円のものがあったとします。この場合、前述のMFN税率(WTO協定税率)を適用させた場合、従価税で計算すると35000円x3%=1050円となり、従量税では、4.50円x100kgs=450円となります。この場合、高い方となる従価税が選択され、関税額は1050円となります。
関税における複合税
従価税と従量税が併用されるタイプ。それぞれが同時に計算されます。
日本では牛乳をはじめとする物品がこの複合税により守られています。
例えば、HSコード0401項において、0401.20号、ミルクのうち「脂肪分が全重量の1%を超え6%以下のもの」となっているタリフラインがありますが、この中で滅菌処理等行ったものの日本での関税率は、25%+134円/kgとなっています。課税評価額に、25%の税率を掛けた関税額と、重量1kgあたりに134円の関税の合計がこの場合の正式な関税額となります。